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(2) (1)の規定にかかわらず、脚が近接している場合は、遮蔽効果等の影響を考慮して差し支えない。ただし、これらの影響は、NKの適当と認める風洞試験より求めること。

(3) 甲板室又はその他の構造部分及びクレーン等の受圧面積は、それぞれ別個に算定する。ただし、甲板室又はその他の構造部分が接近して2個以上ある場合には、その受圧面積は、それらを一体ブロックとみなして、各風向に対する投影面積として差し支えない。その場合の形状係数Csは1.1とする。

(4) 作業用やぐら、ブーム、マスト等が吹抜構造の場合の受圧面積は、吹抜構造でないとみなした場合の風向に対する投影面積の60%として差し支えない。

注:(※)高度係数(Ch)、形状係数(Cs)はNK鋼船規則、P編3章、設計荷重表P3.1、表P3.2を参照のこと

 

(2) 損傷範囲

損傷時の復原性を計算する場合、有効な水密隔壁間に生ずる損傷範囲は、以下のとおり定めている。

1] 水平方向の損傷範囲は1.5mとする。

2] 垂直方向の損傷範囲は、船底外板から上方全域とする。

3] 船底外板に隣接する区画も浸水区画とみなす。

4] 水平方向の損傷範囲内(1.5m)内にある有効な水密隔壁間又はこれらに最も近い段付部分の間の距離は3m以上でなければならない。3m未満の場合は、隣接する隔壁の1以上をないものと仮定する。

 

(3) 損傷時復原性

上記(2)の損傷範囲を考慮し、稼動状態又は移動状態において、以下の規定を満足すること。

1] いかなる1区画への浸水に対しても十分な浮力と復原性を確保するために、十分な乾舷を有し、水密甲板又は隔壁により区画割されなければならない。

2] いかなる1区画の浸水に対しても、あらゆる水平方向からの風による傾斜モーメント及び船舶の波による動揺に対して、十分な復原性を有していなければならない。

3] 浸水後の最終水線は、水密でないいかなる開口の下線よりも下方でなければならない。

損傷時復原性の計算においては、損傷区画室の排水、バラスト調整、他の区画への張水又は係留力を考慮することによる傾斜角の減少を考慮してはならない。

 

 

 

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