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2) 油潤滑方式

3・10図に示すような海水潤滑方式のプロペラ軸の構造と異なり、プロペラ軸が鍛鋼製の場合でも油潤滑方式ではプロペラ軸は海水と接触することがないので、プロペラ軸の軸身の保護対策は必要ない。ただし、船尾管の船首側および船尾側には船舶機関規則などで承認された船尾管軸封装置を装備する必要がある。船首側の軸封装置は船尾管内の油が機関室内へ流出するのを防ぐ。また、船尾側の軸封装置は船外からの船尾管内への海水の浸入および船尾管内の油の船外への流出を防ぐものである。

この場合のプロペラ軸は第1種プロペラ軸として認められる。3・17図に油潤滑方式のプロペラ軸を示す。

 

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3・17図 油潤滑式

 

1.5 船尾管軸

多軸船の場合、船体構造上、プロペラ軸の長さが長くなり製作上、装備上などの理由により、プロペラ軸継手と中間軸継手との結合位置を船外で行うことがある。この場合の船尾管内を通る中間軸を船尾管軸と言う。

船外位置に軸継手がある場合は、軸継手を海水からの腐食に対して保護するための保護カバーを設ける必要がある。

 

1.6 船尾管および船尾管軸受

1) 船尾管

一般に船尾管本体(スタンチューブ)は鋳鉄製あるいは鋳鋼製の場合が多い。また比較的大型船では船尾管本体を設けず、船体と溶接構造で形成する場合もある。

2) 船尾管軸受

(1) 海水潤滑軸受

海水潤滑軸受材として、リグナムバイタ、合成ゴム、合成樹脂などが使用される。

 

 

 

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