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圧縮行程の終わりに燃料を霧状にして、高温高圧となったシリンダ内に噴射させると、着火燃焼して温度、及び圧力が急上昇する。この燃焼ガスがピストンを押し下げクランク軸を回転させる。この行程でピストンは上死点から下死点まで1行程動く。なお、この行程のみが実際に動力を発生する行程である。

4] 排気行程

燃焼行程の終わり頃に排気弁を開き、ピストンが上昇を始めると仕事を終えた排気ガスはピストンによってシリンダから排出される。排気行程でピストンが下死点から上死点まで上昇するとピストンは計4行程(クランク軸は2回転)動いたことになる。これらの行程がそれぞれ規則正しく繰り返されることによりエンジンは回転し続けるのである。

2) 2サイクルエンジンの作動

ピストンの2行程で1サイクルを完了するエンジンであり、シリンダ内の排気の排出、及び空気の吸入にピストンのポンプ作用が利用できないために、別ポンプ・補助ブロア又は過給機により大気圧以上に加圧した空気を、シリンダの側面に設けた掃気口より押し込み排気を追い出したあと、引き続き空気を充填する方法がとられている。

 

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1・7図 2サイクルエンジンの作動

 

1] 第1行程(燃焼、排気、掃気)

圧縮されて高温高圧となったシリンダ内に、燃料を霧状にして噴射させ、着火燃焼させると、高温高圧の燃焼ガスによってピストンは押し下げられる。ピストンが下降してくると、下死点のかなり前で排気弁又は排気口が開き排気ガスの逃げ出しが始まる。更にピストンが下降したところで、ピストン側面で閉ざされていた掃気口が開き、加圧された空気の吹き込みが始まり、ピストンが下死点に達したとき、掃、排気口共に全開となって、さらにシリンダ内の掃気(排気の排出と充気)が行われる。

 

 

 

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