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(3) 台地から山地にかけての状況

1] 台地の状況

大分類のうち、もう一つのグループである台地から山地部のブロックは、平野部と比較し、非常にバラエティに富んだ地形パターンが存在する。主だったものをリストアップすると、まず河岸段丘に付随する台地が挙げられる。

この台地は、適度にアップダウンを持った地形となっており、その風景もバラエティ豊かであると同時に、移動時の風景の移り変わりが心地よい印象を受ける。台地部の各集落を結ぶ道路も、比較的緩勾配で結節されており、ウォーキングトレイル(注1)や、サイクリングトレイル(注2)などのフットパス(小径)の設定が望ましい。

また、山裾には谷あいが幾つも点在している。こちらにも水田風景が見られるが、平野部の水田風景とは全く異なるイメージとなっており、非常にコンパクトにまとまった農村風景を展開している。この一帯の農村風景は、山裾の水田と高台の果樹園、民家と背景の山々とが一体となって構成された絵画的な印象をも伴うものである(写真2-8)。

もう一つの特徴として溜池が非常に多いということも挙げられる。大半が農業用の灌漑溜池であり、それ以外の用途としては利用されていないが、計画上の重要な留意点として考慮すべきである(写真2-9)。

 

図表2-3 台地から山地にかけての状況

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ウォーキングトレイル:

本来、動物が通ってできた荒野・山中の小道、足跡などをいう。本調査研究では、自然発生的にできる小径を想定し、散策などの動きを念頭において使用している。

(注2)サイクリングトレイル:

ウォーキングトレイルの歩行者散策道に対し、自転車による散策道を想定した道。類義語に「ネイチャートレイル=自然観察道」等がある。

 

 

 

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