日本財団 図書館


3. 朝倉町及び広域的な観光特性

 

(1) 朝倉町及び周辺市町村の観光入込客の動向

本町の年間観光入込客数は34万2,000人(平成10年実績)で内25万4,000人(74.3%)は県内から来訪しており、そのほとんどが日帰り客(99.7%)である。主な目的は一般行楽が23万2,000人、祭・行事が3万9,000人であり、これを合わせた27万1,000人が水車群の見学及び魚のつかみ取りなど水車関連行事に参加していると推定される。

周辺市町村には県内有数の温泉郷原鶴温泉がある杷木町や秋月城址の甘木市などは年間100万人程度の観光客が周辺に集まっている。本町はこのような環境を活かし切れていない(図表1-17・18)。

周辺市町村の観光資源の分布状況を社団法人日本観光協会が発行している「全国観光情報データベース」をもとにみると、浮羽郡の3町は多様なニーズに対応しうる観光資源を有していることがわかる。また特に田主丸町や浮羽町は行・祭事が盛んであり、関連するイベントが10以上もある。施設や遺跡、温泉など所与の資源に依存することなく、地域の創意工夫で観光振興によるまちづくりのソフト事業を企画・運営していく人材や組織体制を有していることがうかがえる(図表1-19)。

甘木・朝倉広域市町村圏では秋月城址を擁する甘木市と、原鶴温泉のある杷木町以外では目立った観光資源に乏しい。一方本町等に代表されるように、豊かな自然環境の存在が、行楽を求める地元のレクリエーション需要の受け皿となり得るポテンシャルを有している。福岡都市圏から車で約1時間という本町の立地を考慮すると、都市住民のレクリエーションなどを受け止める方策を視野に入れつつ、農業資源との連携を図っていくことも考えられよう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION