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2.4 結び

 

本章では、われわれのパブリック・マネジメントの改革モデルを提示した。このモデルは改革のプロセスを、多くの側面を持ち、いくつもの異なる段階で修正されるべきものとしてとらえている。また、社会経済的影響、政治的圧力、そして行政制度の特徴自体の相互作用を組み込んでいる。このモデルは、変化に‘向かわせる’圧力と、変化に‘逆行’する抵抗力と、その双方を同定する。また、故意によらない事象や偶然の事象についても、その役割を認める。また、国によって大きな違いがあることは、はっきりとではないにせよ、すでに述べたし、それを見込んでいる。というのは、なんといっても、各国は、それぞれに独特の政治制度や行政制度を持っているという意味で、変化のプロセスに入った出発点が異なるからである(囲みEおよびL)。このモデルには、改革の実行者達が執行過程で学習したため、(そして、マネジメント理念における「市場」が国際化するにつれ、政府が自国の経験のみならず、他国の経験からも教訓を得ようとするため)、フィードバックのための、重要な環状線がいくつか組み込まれている。

 

それでも、やはり「不備な」点は多々ある。とくに、モデルに生命を吹き込むためには、重要な囲みのいくつかの内部で起きていること―とくに、さまざまな政治体制(E)と行政部門の体制(L)―をもっと詳細に類型化する必要がある。それらを適切にしさえすれば、特定の体制の種類を改革の特定のトレンドに関連させることによって、さらにモデルの動的特徴を顕出できる。以下の章では、こうした作業を取りあげる。

 

 

 

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