主要観光客送り出し市場である先進諸国の平均経済成長率はプラス3.6%と予想される(99年は同3.1%、98年は同2.5%)。国別では、米国、日本、ドイツ、フランス、イタリア、英国で成長率の上昇が予想される。カナダは若干伸びが鈍るものと見られる。日本は2001年には2%のプラス成長が予想される。ユーロ地域の2000年の成長率はプラス3.2%と予想される。ユーロ地域の経済は力強く成長し続け、2010年にはこの地域における完全雇用が実現するものと見られる。ユーロ地域は物価安定による経済促進政策を取っている。
アジア諸国では2000年も経済回復が続き、先進諸国と開発途上諸国の間の均衡が一層とれると見られる。韓国は7%のプラス成長が予想され、香港、中国、マレーシア、シンガポールでも同程度の成長が予想される。一方、インドネシア、フィリピン、タイの成長率はプラス3%から5%と予想される。
以上のように、2000年の世界経済はほとんどの国において非常に明るい見通しが示されている。しかし、国際観光の今後の伸びが世界平和や米国の好況、原油価格の安定にかかっていることを忘れてはならない。
