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7. 2000年国際観光の展望

2000年の国際観光は大きな伸びが予測される。2000年は世界的に特に大きな紛争もなく、経済も順調に伸びているようである。

2000年には特に中東とバチカンにおいてキリスト教関連の特別行事が予定されており、観光にプラスの影響を与えると見られる。また、ハノーバーの2000年万博や英国・グリニッジのミレニアムドームのオープン、シドニーオリンピック、ベルギー・オランダのヨーロッパサッカー選手権大会などの大型イベントも旅行需要喚起にプラスに作用すると考えられる。

 

<2000年の経済動向>

最近数年の経済を世界的に見ると、東アジア・太平洋地域と南米、ロシア連邦において成長率の鈍化が見られるものの、主要観光客送り出し国における経済は概ね順調に伸びており、その結果多くの国が観光客増加の恩恵を受けている。国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)、ユーロスタットなど主要な国際経済機関は、2000年の世界経済に関し明るい見通しを出している。2000年3月に発表した「世界経済予測」でIMFは、2000年の経済成長率を世界平均でプラス4.2%と予測している。インフレ率はここ数年大きく低下しており、世界の貿易量(モノとサービス)の増加も経済の伸びを裏付けている。世界平均を上回る経済成長率が予想される地域は、アジアの新興工業諸国(プラス6.6%)、アフリカの開発途上諸国(同4.4%)、アジアの開発途上諸国(同6.2%)、コーカサス・中央アジア諸国(同4.9%)である。一方、ロシア連邦はプラス1.5%と予測される。

 

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出典:国際通貨基金刊「世界経済予測」(2000年3月)

Source: lnternational Monetary Fund, World Economic Outlook, March 2000

 

 

 

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