オペラ「遠い帆」(全1幕)あらすじ
1613年、伊達藩の遣欧使節としてヨーロッパをめざして出帆した支倉六右衛門常長が、ローマ法王接見を果たし、7年後に切支丹禁制下の故郷に帰還するまでの運命のドラマ
支倉六右衛門常長とソテロの旅立ち 「海上」場面を軸にして、回想が織り込まれ展開
1 死失帖―ほの明るい近景にこどもたちが数え歌を歌いながら遊ぶ 背景はみちのくから東に広がる暗い海
2 海上―広がる海を見る六右衛門常長 「くる日もくる日も見渡すかぎり目に入るものは海と空ばかり」
3 疑念―常長の回想場面 追放の身に今更、政宗からの呼び出しは何の用なのか
4 権力者―伊達政宗の野望 将軍家の名代という名目でイスパニアとローマに使節を送る
5 海上2―ソテロ、立ち上がり海を見る 見渡すかぎり海ばかり
6 野望―私の名はソテロ イスパニアから来て、政宗公に船を作らせ、使節を送らせ、うまく行けば日本東部の司教に
7 出発―ソテロと常長、並んで海を見る 合唱団、船を見送る
8 海上3―見知らぬ国は本当にあるのだろうか 合唱が「その天を目指して その地を目指して 帆を掲げる 遠い港を目指す帆だから 遠い 遠い帆」
9 遺棄―使節が船出した日からすでに3か月、使節は今頃どこだろうか
徳川家康、これより日本全土に切支丹禁令を伝える 政宗は伊達家の安泰のため常長を棄てる
10 幕間―語り部の「影」が、イエズス会によるローマ法王あての、使節を非難する手紙を読む
日本は切支丹禁令が布かれた 「常長もソテロも使節の資格なし」