そして、愛知国際病院ホスピス婦長、水野敏子さん。水野さんは愛知県医師会名古屋看護専門学校をご卒業後、愛知がんセンター、血液透析センターに勤務されました。その後、藤田保健衛生大学七栗サナトリウム外科、リハビリテーション科の混合病棟婦長などを経て、財団法人愛泉会愛知国際病院ホスピスアドバイザーを務めていらっしゃいます。
愛知国際病院ホスピスは、愛知ホスピス研究会をはじめ、その他のボランティア団体の強力な設置推進運動の盛り上がりもあって、昨年4月、日進市に愛知県内初のホスピスとして開設されました。水野さんはその初代婦長として、看護の責任者として、また市民に対するホスピス啓蒙のための研修講師として活発に活動されていらっしゃいます。
最後に、コーディネーターをお願いいたします、読売新聞解説部次長、南砂さん。南さんは、日本医科大学医学部をご卒業後、ベルギー国立ゲント大学研究生、日本医科大学精神医学助手を経て、1985年、読売新聞社に入社されました。読売新聞社入社後は、医療、年金、福祉関係、及び教育をテーマに報道、解説を続けていらっしゃいます。とくにその領域のシンポジウムなどでは読売新聞の顔としてご活躍されているといっても過言ではありません。
それではここからの進行は南さんにお願いいたします。
南 ご紹介ありがとうございました。皆様、こんにちは。今日はようこそおいでくださいました。ご紹介いただきました読売新聞の南でございます。今日は皆さん、お聞きになりたいこと、たくさんあると思います。時間がご存じのようにかなり押しておりますので、早速パネルディスカッションに入らせていただきたいと思います。
簡単に進め方について先に申し上げておきます。
今ご紹介いただきました4人の先生方にそれぞれご専門の立場から、今日のパネルディスカッションのテーマである「『死』をみつめ、『今』を生きる」について、冒頭のご発言というかたちで、それぞれ10分内外の持ち時間でご自分自身の立場をまず語っていただきたいと思います。そのあとで、たいへん間口の広い問題でございますから、特別シナリオは用意しておりませんけれども、なりゆきで皆様と共に、たいへん重いテーマではありますけれども、自由討論のかたちで先生方のご意見をうかがっていきたいと思います。
それでは早速ですが、まずトップバッターで大下大圓さんに冒頭のご発言をお願いいたします。
大下 皆さん、こんにちは。先ほど、日野原先生が「今日は若い方が多い」と言われたので、ああ、そうなのかと思って、ここへ上がってきてびっくりしました。やはり若い方が多いなあと思いました(笑)。
先ほど、遠藤さんがおっしゃった厚生省への提言というのがありましたが、私も昨日、厚生省に問い合わせた新しいデータがありますので、ちょっとメモしていただけますか。死亡率が 100%だということ……これはじつはデーケン先生のネタなんですけれども、おわかりになられた方とわからなかった方があるかもしれませんが、いろいろ考えていただきたいと思います。こんな話をいっぱい持ってきたんですが、時間がございませんので本論に入らせていただきます。