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沖縄タイムスの記事(1996.11.17)によると、6日間で、延べ210人が8万1千個体を駆除したという。恩納村では、昭和58年以来毎年オニヒトデ駆除を行っているが、1996年の駆除数は過去最大の年における2倍の駆除数であった(沖縄県自然保護課資料)。

 

b. 1997.4.5 オニヒトデ、過去最高の約19万匹駆除 恩納村漁港(琉球新報の記事)

貴重なサンゴを食い荒らすオニヒトデが昨年夏頃から恩納村海域で25年ぶりに異常発生。同村漁協が昨年10月から3月31日までに駆除したオニヒトデは過去10年間の総数を上回るこれまでの最高の64トン(18万5000匹)を記録した。

恩納村をはじめ西海岸地域は復帰前後に二度、赤土汚染が進みオニヒトデが異常発生。近海のサンゴが絶滅した例がある。

今回は前回に酷似した状況。発生原因は明らかではないが3年前から同村北部の瀬良垣、安富祖地域の深い海域からリーフにかけて直径5センチ足らずのオニヒトデが多く発見されていた。

 

c. 1997.9.3 異常発生のオニヒオトデを駆除 恩納村漁協(琉球新報の記事)

貴重なサンゴを食い荒らすオニヒトデが昨年から恩納村北部海域で異常発生。恩納村漁協は今年に入って1、3、6、7月に次いで5度目の駆除作業で過去最多となった。海洋博当時の異常発生期と比較して個体の大型化が指摘された。被害状況は村北部から次第に南部地域に広がりつつある。

「観光のイメージダウンにもつながり、漁民の死活問題」と危機感を抱き、行政に対して抜本的な対策を求めている。

c. 1998.1.9 オニヒオトデが異常発生 サンゴなどへの被害拡大懸念(琉球新報の記事)

サンゴを食い荒らすオニヒトデが異常繁殖している。水中写真家の横井謙典さんは「沖縄本島西海岸のサンゴはほとんど食べ尽くされた。こんなにオニヒオトデが多いのは海洋博(1975年)以来初めてではないか」と指摘。増殖を止める抜本的な対策がなく、東海岸、慶良間諸島などへの被害の拡大が懸念される深刻な事態を迎えている。名桜大学の新垣裕治講師は「西海岸は全般的にオニヒトデが多くなっている。サンゴの破壊もかなり進行していると考えていい」と話すとともに「太平洋地域でオニヒトデが増えつつあると聞く」と述べ、“世界的”な傾向と見ている。

横井さんの調べでは、那覇市沖のチービシ、恩納村では、けたはずれにオニヒトデが多く、97年には直径50センチの“三年もの”がびっしりと確認されている。読谷村でもオニヒトデが増えているという。また97年9、10月に国頭村辺戸名、奥間を調査した新垣名桜大講師は「オニヒトデがかなり出ていた」としている。発生状況ははっきりしていないが「漁師の話によると、国頭村安波でも結構出ている」(新垣講師)といい、辺土岬から東海岸にオニヒオトデが回り込んでいる可能性もありそう。

 

 

 

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