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・現在、F.Clauss教授の研究室では、海洋工学に関して革新的海洋構造物の効率的な開発、波浪吸収装置による油回収船の流体力学的研究、試験水槽における過渡水深の発生法、沿岸域における多段式消沈堤の開発、クレーン船の非線形応答の研究等を行っており、ビデオを交えた研究紹介を行っていただいた。

・研究費は殆どが、ドイツ文部省科学技術省と経済省から出ており、一部はハンブルグ大学やドイツ船級協会と共同研究を行っている。

引き続き、F.Clauss教授の助手のMr.Claus Abt氏の説明のもと、ベルリン工科大学のWave Tank実験施設の見学を行った。過渡水深を発生できる90m×4m×2mの長水槽、パイプライン敷設船用の実験水槽12m×2m×5m(水深)と学生実験用小型2次元水槽である。また、Prof.Dr.Horst Nawacki氏ならびにDr.Kaether氏から、造船におけるCADのアクティビティの紹介があった。

 

Prof.Dr.Hans.W.Gerger氏から、GEOSTARプロジェクトの概要の紹介があった。

このプロジェクト総経費は300万米ドルとのことであった。

現在、Phase Iが終了し、Phase?(30ヶ月)に入ったところである。

(注)GEOSTAR: Geophysical and Oceanographic Station for Abyssal Research

 

GEOSTARはEUがスポンサーのプロジェクトである(MAST?-DG X?CT95-0007)。このプロジェクトは、無人の4000mの深海底における海洋および地質データの長期観測を行うステーションの開発と、建設を行うことを目的としている。GEOSTARは、フランス、イタリア、英国、ドイツからなるコンソーシアムにより遂行されている。ベルリン工科大学では、Technische Fachhochshule Berlinと共同で、モービル・ドッキング・デバイスの設計、建造、試験を行っている。

午後から、世界最大のキャビテーショントンネルをもつVWS(Versuch sanstalt fur Wasserbau und Schiffbau)ベルリン水槽の見学を行った。Dr.Stefan Harries氏に案内願った。ベルリン水槽は今年で創立100周年を迎えた。300m×8m×5mの長水槽、それに平行した浅水用水槽とメンフィス(米国)のキャビテーション水槽にも匹敵する幅では、世界一の自由表面付のキャビテーション水槽等である。たまたま、創立100周年を記念して、浅水用水槽を会場にして、模型船を集めた展示会が開催されているおり、Prof.Schmiechenがボランティアで説明係をしておられた。また長水槽では、帆船カティーサークの抵抗試験を行っていた。5年前にベルリン工科大学と合併した。

 

 

 

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