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2.2 水槽実験及び評価

 

供試模型として、垂線間長さ5.5m(縮尺:1/43.64)の模型船を作成し、試験に供した。平坦氷中における抵抗・自航試験及び氷丘脈中における抵抗試験の3種類の試験を行った。また、開水中については、平水中の抵抗・自航試験、荷重度変更試験、旋回試験及び波浪中試験を行った。試験の手法は、第1期試験におけるものと基本的に同様の手法である。これらの試験のうち、平坦氷及び平水中における試験をNKKが、氷丘脈中抵抗試験及び波浪中試験をSRIが担当した。

平坦氷中での抵抗計測結果を図A-18に示す。図には第1期研究で行われたD-d船型に対する結果も併せて示す。両試験結果はほぼ一致するが、本船の方が僅かに抵抗が高い。これはD-d船型に比べて平行部が長いことによる摩擦抵抗の増加及び喫水の増大に伴って砕氷片を没水させるための抵抗成分が増加していることによるものと考えられる。自航試験結果から氷片とプロペラとの干渉の頻度を調べた(図A-19)。本船は第1期研究の対象とした船型に比べてプロペラと氷との干渉の頻度が低い。これは、平行部が長いことにより砕氷片が排除されやすいことによるものと考えられる。スラスト減少係数並びに伴流係数を図A-20に示す。平坦氷中における試験から得られた、馬力・速度・氷厚の関係を図A-21に示す。

 

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図A-18 抵抗試験結果

 

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図A-19 氷片とプロペラの干渉の頻度

 

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図A-20 氷中でのスラスト減少係数及び伴流係数

 

 

 

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