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北極海航路?東アジアとヨーロッパを結ぶ最短の海の道?

 事業名 北極海航路開発調査研究
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


6. 北極海航路の課題

 

6.1 関連技術

 

北極海航路啓開に際して必要となる技術については、いずれも実用水準にあり、啓開に当たって、今後早急に本格的、あるいは抜本的な研究開発を必要とするものはない。ただし、採算性と調和しての航行性能や安全性の向上については、永遠の課題であり、また最適船舶設計は、エネルギー情勢の推移や航行安全に関わる国際規制を含めた国際海運市場に連動することから、関係技術に関しては継続的、恒常的な研究、開発を怠る訳には行かない。

船舶による海上輸送は、大量輸送が本義であり、貨物需要に上限がなく、航行安全上の制約がなければ、大型船程採算性は向上することになる。NSR航路の浅い水深と支援砕氷船の大きさによる制約、重損事故時の環境汚染への懸念は、大型船舶の就航を拒む要因の一つではあるが、予想NSR輸送貨物量を別とすれば、現行船舶の載貨重量が国際海運市場において採算性を欠いていることは否定できず、特に、NSR季節運航のシナリオを検討する場合には、今後航行リスク及び環境保全との見合いの上で、支援砕氷船団の問題を含め、妥当な解答を見出す必要がある。

 

(1) 船体等

氷海域を航行し得る船舶については、一定水準の氷中航行性能を持ち得ること、氷荷重について実用上許し得る程度の信頼度を持って船体、舵、プロペラ等の推進装置の設計ができること、が先ず要求される。様々な操船モードにおけるプロペラ・氷相互干渉の充分な精度での推定については、今後の研鑚に待つ必要があるが、船体周りの基本的な技術課題には、一応実際的な解決の道、設計指針が得られている。

NSR航行特有の航行状態である支援砕氷船との連携操船に必要な牽引・曳航装置については、ロシアの経験豊富な分野であり、ロシアにて汎用されているシステムをベースに検討を図るのが得策であろう。

なお、貨物倉保温・断熱、甲板水処理、着氷防止、暗視装置などについては、今後より実際的、実用的な研究開発が待たれる。断熱材として多用されているウレタン系素材は、フロン規制の上からは難点があり、今後は、修理、更新、廃船処理のプロセスを見通した材料使用、船体設計が必要となろう。

運航シミュレーション結果からも明らかなように、NSRが競合力ある商業航路として利用されるためには、一般船舶との建造コスト格差、ペイロード格差を縮める工夫が、技術的にも規則上でも必要である。

 

(2) 機関

舶用主機関の高出力化に関る技術開発により、主機については一般船舶共通の問題を除いて大きな課題はない。ただし、機関故障によって引き起こされる状況は、無氷域での一般航路に比してかなり深刻なものが想定されることから、主機系装置面あるいは点検維持のあり方について、何らかの仕様要求が必要となる可能性もある。また、機関からの大気汚染物質の排出防止、あるいは防除については、最終的な規制値次第では、排気処理関係の研究が必要となる。

 

 

 

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