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北極海航路?東アジアとヨーロッパを結ぶ最短の海の道?

 事業名 北極海航路開発調査研究
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


ロシアにおけるNSR航行の経験により、コンボイ形式による氷中航行手法について、一般的に以下のようなノウハウが知られている(WP-108)。

●氷海航行能力の異なる船舶によりコンボイを組む場合は、先導の砕氷船の直後に最も能力の低い船舶を配置し、最大の能力を有する船舶を最後尾に置く。

●一つのコンボイを複数の砕氷船が支援する場合は、コンボイの先頭及び中間に砕氷船を配置する。中間の砕氷船は他船が航行不能に陥った場合の支援にあたる。

●氷中航行能力が同等で船幅の異なる船舶によりコンボイを組む場合は、幅の広い船から狭い船の順に航行する。

●氷況が厳しいほどコンボイを構成する船舶の数を減らすとともに船間距離を短くとる。

●コンボイ内の船舶が氷により前進不能状態に陥った場合は、砕氷船がその船舶の横を通過することによりその船舶を開放することができる。

●上記航法をとる場合、砕氷船が被救出船に引き寄せられる場合があるので注意をする。

●同じく上記航法をとる場合、特に砕氷船の速度が速い場合には、2船間に存在する氷塊により被救出船の船体・推進器・舵等に損傷を及ぼす場合がある。

氷況が厳しく、特に風・潮流等により氷野に圧縮力が働いている場合には、エスコート船が切り開いた水路が後続船の通過以前に氷により閉塞され、後続船の速度低下及び頻繁な航行不能状態を招くこととなる。このような場合には、砕氷船が被エスコート船を曳引する航法が採られる。曳引はケーブル等により行われる場合もあるが、氷況が極めて厳しい場合には、ロシア独特の航法であるクローズトーイング(close towing、フォーク曳航とも呼ばれる)が行われる(図4.1-9)。クローズトーイングでは、砕氷船船尾に設けられたスターンノッチ(図4.1-10)に被エスコート船の船首を直接連結した状態で曳引が行われる。原子力砕氷船Arktikaが厚さ160から200cmの一年氷内においてSA-15型商船をエスコートしたデータによれば、曳引無しの状態では両船の平均的速度は2ノットであるが、クローズトーイングによる場合は、Arktikaが同様の氷況を単独で航行した状態の速度である4ノットが達成された(WP-107)。なお、被エスコート船の排水量がエスコート船のそれを超える場合、エスコート船の操縦性能の低下が起きることが経験的に知られている。この意味において、約25,000トンの排水量を有するSA-15型商船は、排水量約24,000トンのArktika型原子力砕氷船がクローズトーイングによりエスコート可能な最大の船舶と言うことができる。

 

059-1.jpg

図4.1-9 クロズトーイング

 

059-2.gif

図4.1-10 スターンノッチ

 

 

 

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