(2) 油の漂流・漂着状況
ナホトカ号に搭載されていたC重油約19,000kl(性状は、表−1のとおり。)のうち、船体折損により切断部分に搭載されていた約3,700klが瞬時に流出したと推定された(その後の調査により、流出量は6,240klに訂正された)。
海上に流出した油は、波浪によって一部は分断されたが、多くは厚い油層となって船首部分とともに海流と強い北寄りの季節風に圧流され、本州沿岸に接近してきた。
その後も日本海の荒天は続き、1月7日午前11時頃、漂流していた船首部分が福井県三国町安島岬の沖合に漂着し、船首部分からの新たな油の流出が確認され、これらの油が近くの海岸に漂着した。
1月8日になって、すでに流出し、拡散漂流していた油も次々に福井県、石川県の海岸に漂着した。また、能登半島に沿って北上した油は、1月20日能登半島の北側を越え、新潟県佐渡島にも漂着、その後新潟県の本州側にも漂着した。その結果、油による汚染範囲は、島根県から秋田県(富山県を除く。)に至る1府8県に及んだ(図−1参照)。