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VII. 防除資機材の運用

 

防除資機材は、そのいくつかを組み合わせ、使用することにより効果を上げることができる。

 

1. オイルフェンス

オイルフェンスは、海上に流出した油が風潮流によって拡散・漂流するのを制御するために使用するものであり、展張後は早めに回収等次の作業につなげることが必要である。

展張にあたっては、流出油の種類、流出源、流出量、風潮流、拡散状況その他周辺環境等を考慮して実施しなければならない。特に、潮流の強い場所、波浪の大きい場合等は、油のくぐり抜けやオイルフェンスの破損を生じ、展張方法によっては何の効果もなくなる可能性が高い。

 

(1) 展張時の留意事項

イ 潮流が強いとオイルフェンスのスカート部がめくれて油のくぐり抜けを生じ、油を捕捉することが出来ない。一般に使用されているB型オイルフェンスの滞油性能は、0.5ノットが目安となっており、それ以上の流れのある場合は、オイルフェンスにかかる流速を減殺する展張方法を行う必要がある。

ロ オイルフェンス本体の生地は、一般にはゴム又はプラスチック加工したものが使用されているが、展張時に作業場所の床面のざらざらした表面を引きずると損傷しやすいので作業場所にシートを敷く等の配慮が必要である。

ハ 海上にオイルフェンスを繰り出す際には、ねじれを修正しながら繰り出し作業を実施しなければならない。海上に展張後のねじれの修正は、困難である。

 

(2) 展張方法

理想的なオイルフェンスの展張の成否は、天候、海象その他の条件に左右されるが、一般的な展張方法は、図VII. 1の通りである。

 

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図VII. 1 オイルフェンス展張形状

 

 

 

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