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2.5.4. Deep Submergence Laboratory

この研究室は、深海底調査のために遠隔無人システムを開発することを目標としている。DSLの技術者達が自作の装置によりタイタニック号を発見したことは、その能力を示す一例である。DSLの技術者と科学者は、ROVやマニピュレーターの自動制御方法論について、現状の技術レベルを引き上げるのに多大な貢献をしている。広範な調査のための低照度テレビカメラ、高輝度ライト、高精度サイドスキャンソナーを備えた曳航体も設計している。また、DSLはARGO,ABE,Jason/Medea,DSL-120 sonar sled等の数々の海中機器の基地ともなっている。海中機器の力学や制御の基礎的研究を行うために、試験用機器や水槽も保持している。

(1) Photomosaickingについて

解説者:Dr. Hanumant Singh (Postdoctoral Investigator)

hsingh@whoi.edu

海底の静止画像を記録する場合、照明が非常に重要である。照明が届く範囲しか映像はとれないうえ、遠距離からでは全体像は掴めるが解像度がなく、近距離からでは細部がわかるが全体像が掴みにくい。そこで、以下のようなPhotomosaickingという手法を開発した。

最初、ある距離から海底の全体像写真を撮影。その後、海底に近づいて一定深度でライン上にROVを動かしながら、一連の高解像度写真を撮る。これを一列のモンタージュ写真とし、数列を組み合わせて全体像写真の上に貼り付け、高解像度の全体写真を作り上げる。

「海底面に傾斜があった場合は?」という質問に、「全体像写真の上に貼り付けていくのでここで誤差を押さえることができる」との答えだった。人の手間に頼ったまさにモンタージュ写真といった手法であり、驚きはしなかったが、Photomosaickingにより作成した古代ローマ木造船の沈んだ海底の模様は非常に鮮明であった。

035-1.gif

Photomosaicking

 

 

 

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