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3-1-6 グローブ同士の関係

a シナプスの個性

互いに関連があると判断されてその分野点や事項点群中にめぐらされるシナプス(3-1-2)と呼ぶ連結糸は、単に符号的であったり、限られたディメンジョンを持つ具体的な鎖だったりするものではない。A点とB点とをシナプスで結ぶと決めたとき、その理由となる“関連性”は、主としてイメージであったり、一般的な慣例的認織であったりするし、AからみてBにシナプスを張る妥当性はあるが、その逆に成り立たない、というケースもままある。

このような、いわば“片想い”シナプスの存在を特に意識して分野や事項例の点群を結んでみると、そこにはある意味で指向性をもつ検索システムが可能となる。本事業では、海洋資源のグローブについて、そうしたシナプス例に矢印しを付して可視化してある。

指向性以外にも、シナプスには実に様々な要素が個性として付与されうるものである。例えば、場合によっては近縁の点群内でシナプスを張るとき、その関連度の相対的重みに応じてシナプスの太さ表示を異にする方法もあろう。また、関連分野として認定するもの、隣接分野と見なされるものの配線等を、シナプスの形(実線、点線、破線等)で識別する工夫も可能である。

このように、本事業で与えられたシナプスの性格についての拡張表現は未開拓であり、今後の更なる展開を待つものであることを明記しておく。

 

b グローブの融合

分野グローブや事項例グローブは、それぞれのカテゴリーの独立性を表面に出せば、当然各個の単球(シンプル・グローブ)となる。しかしながら、例えば分野とそこで扱う事項は密接不離であるから、それらを内球と外球に振り分け、象限を共有させることで表裏一体のものであることを示すことが可能であり、その方がむしろ実態に即した姿であると評価されることにも意味がある。

すなわち、二重球あるいはその延長としての三重球等の多重球(マルチレイヤード・グローブ)は、一種の融合球と位置付けることが可能であり、そのような視点は大切である。また、作者や立場によって似ているがディテールズの異なるグローブが複数できたとすると、それら類似グループ内に含まれる共通事項(分野)をとりあげてそれらの間にシナプスに似た連結糸をめぐらせれば、各球の互いの近さ(共通項の数)を大局的に示す示標と見ることもできる。

 

 

 

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