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2. CG制作の基礎

CGの制作過程は、大きく分けてモデリング、アニメーション、レンダリングの3つがある。先ずモデリングは、対象物の形状を創ることから始まる。CGでは、X、Y、Zの3次元座標系に対象物の形状を構成する頂点を置いていく。すなわち、コンピューターの仮想空間上に物体を形創るのである。各頂点は、既に計測された座標値を直接入力するか、または、デザイナーがマウスを使って感覚的に配置する。その頂点を結んで形創られたのが、ワイヤーフレームモデル(図1)である。最初に創られたラフなワイヤーフレームモデルを基に修正し、分割を細かくして形の精度を上げていく。ここで、ワイヤーフレームモデルはデータも軽く、頂点の表示があり、形を変形させるのには適しているが、本来隠れている部分も全て重ねて表示されるので、表面の形状が分かりづらい。そこで、ワイヤーフレームモデルの表面に、多角形の面(ポリゴン)をかぶせて、表面の形状を形創る。これをサーフェイスモデル(図2)と呼び、形状モデルが完成する。次に、表面に色や模様、材質感、凹凸感を表現するために、テクスチャーマッピングを行う(図3)。テクスチャーマッピングとは、写真等をスキャナーで読み込むか、ペイントによって描いた絵や模様をサーフェイスモデルの表面に貼り付けることを言う。イメージとしては、空き缶にスプレーのりを吹き付けて、色鮮やかな包装紙を貼り付け、きれいな物入れを創る。これと同様のことをコンピューターの仮想空間の中で行うのである。以上がモデリングの基本であり、次にアニメーションの設定を行う。

アニメーションは、大きく分けて視点移動(カメラワーク)、対象物の動き、環境変化の3つがある。カメラの設定は、視界(レンズの焦点距離)、アングル(左右の傾き)及びアスペクト比(フィルムの縦横比)を定める。次にアメーションのために、ビデオでは1/30秒、フィルムでは1/24秒毎にどの位置(視点)からどこを見るか(注視点)を決める。

コンピューター上の仮想空間は真っ暗であり、物が見えない。従って、対象物に光を当てるためにライト(光源)の設定を行う。ライトの位置や光の色、それにライトの種類(点光源、面光源等)を決める。同様に、対象物の位置や形状変化も設定し、動きを創る。環境変化とは主に光の変化を指す。例えば、太陽の位置や光の強さが変化するように、光源の移動や光の色の変化をアニメーションとして設定する。このようにカメラの位置や対象物の動き、光源の変化を一枚一枚の画像フレーム(コマ)毎に定めてアニメーションのためのデータ設定を行う。

 

 

 

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