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また、個々の患者に応じプライマリーナースが非常に細かくわかりやすいケアプランを作成され、それに基づいて動かれていたが、そこに結びつく看護過程が見えにくいところもあった。客観的に見ることで、その重要性を感じた。それは自分自身の課題にしたい。

ピースハウスでは、同じフロアー内にMSW、薬剤師、チャプレン等多職種の職員とボランティアがチームを構成している。カンファレンスや申し送りにも参加され、それぞれの専門性を生かし患者により深く関わることで、全人的ケアに結びついていると感じた。その反面、検査技師、放射線技師、理学療法士といった専門職種が配置されておらず、身体評価が難しいという欠点もある。その中で看護婦は、知識と経験の積み重ねによる的確なアセスメント能力と技術が要求されると思った。自施設では条件の違いもあり、同じようなチームアプローチはできないが、看護婦が中心となりチームのコーディネーターをしていかなければいけないと思った。

 

その他、全体を通して学んだこと

 

ピースハウスに来てまず感じたのは、富士山をのぞむ環境のすばらしさと、設備が整っていることである。しかし、それはただハード面が充実しているというものでなく、物品の工夫や環境の調整において、患者の生活そのものをとても大切に考えておられ、心のこもったケアであると感じた。これは自分を振り返ると反省すべき点が多い。

看護体制は2交替制をとられており、看護婦の人数、患者数も近いことから、日勤の業務の流れもよく似ていると感じた。その中で業務を円滑に進めるためにスタッフ間の情報交換、コミュニケーションのとり方や、リーダーの時間調整の仕方、事故防止のための薬のチェック方法等参考にさせてもらう点が多かった。

 

実質10日間という短い実習期間であったが、思った以上に多くの学びを得ることができた。この実習を通して今までの自分のケアを振り返り、他施設を見ることで今まで気付かなかった自施設の良い点も、そうでない点も見ることができたことは、とても貴重な経験である。

最後に実習生を受け入れる姿勢についても、見習わせていただくことが多かったと思います。常に目標を確認しながらプログラムの調整を図って下さったこと、そして、日々温かく指導して下さったピースハウスのスタッフの方々に感謝します。

 

 

 

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