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直着けの拡大により、神戸港でのショートドレーと荷役回数の削減が図られることから、神戸港における内航フィーダー輸送のトータルコストの削減に寄与することが期待できる。

直着けの実施にあたっては、関係する事業者間の調整が必要となること、内航フィーダー事業者に宅配的な運航を求められスケジュール的に非効率が生じるケースがあること等の課題はあるが、輸送経路の合理化を図ることはコスト削減を図る上で有効な手段であり、直着け基準撤廃に向けての協議の深度化を早急に進めることが必要である。

 

○外貿・内貿連続バースの設置・拡大

外貿バースに隣接して内航フィーダーバースを設置し、輸送経路の合理化を図ることが考えられる。

連続バース設置の拡大は、直着けと同様、神戸港でのショートドレーと荷役回数の減少によるコスト削減が期待できる。

連続バースの必要性についてはこれまでも指摘されてきたところであるが、直着けの阻害要因に示したように、解決すべき課題も多く、神戸港では本格的な取り組みまでは至っていない状況である。

この問題については、港湾運送事業者や、ターミナル運営の共同化の必要があること等に加え、連続バースとして一体的に機能する内航フィーダーバースのスペースの確保も課題であり、遊休バースの活用等により、対応していくことが考えられる。

さらに、本船と内航フィーダー船のスケジュール調整などにおいて、事業者間で密な情報交換が必要となることなども課題として検討していく必要がある。

 

○空コンテナ利用の共同化

地方港の整備が進むに連れ、各港湾では輸出入のコンテナ需要にアンバランスが生じており、コンテナの利用に関して非効率なケースが散見される状況となっている。

このような空コンテナ輸送は、荷主の運賃負担増や外航船社のコスト増に影響しており、結果として神戸港のコンテナ貨物のコスト高の一因となっている。アンケート調査では、現在、荷主は空コン調達に44,000円程度の負担がなされているという結果が得られている。

これまでにも、外航船社の企業努力により、空コンテナ輸送の削減、合理化は図られてきたところであり、近年ではアライアンス内で空コンテナの融通をつけようといった取り組みまで検討されている。

 

 

 

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