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こういった石油開発がどんどん進んでいくところで、確かに日中中間線を配慮して、その向こう側でやっているけれど、こちら側にそのうちにやって来るから、日本として放っておいては駄目よ、ということをそのころから十数年来言い続けてきたわけですが、実際に石油が出るかどうかということはやってみなければわからない問題で、現実にはほとんど調査されていないわけです。

 

23:石油有望地域の地図

 

[石油有望地域の地図] 一応、いままでのいろいろな石油に関する情報からアメリカのカーネギー平和財団のセグ・ハリソンという人が、最近は安全保障のことをやっていて、よくいろいろな国際会議にも出ていて、日本にもよく来ているようですが、その人がかつてはかなり海洋石油のことをやった人で、これはハリソンのつくった石油有望地域という地図です。一応東シナ海で石油が出るらしいという、ハリソンがいろいろな材料を使って推計したものです。これが正しいということになれば、日中中間線よりも日本側の方が出る可能性が非常に強い。尖閣がこの辺ですから、尖閣のまわりが非常に有望だということになるわけです。それから沖縄のすぐ西側のところは、沖縄トラフと言われている青い部分になってくるわけで、ここは琉球大学の木村[政昭]先生という海洋地質学の専門家がいて、私は常時連絡をとっているんですが、木村先生に言わせるとここは熱水鉱床だから、石油だけではなくてレイアウテラ(?)が出る。一番可能性があるのは金(ゴールド)だということを言っています。だから早く日本はここをちゃんと調査しなくては駄目だということを言っているわけですが、日本政府はここの調査をやることを非常に嫌っているということです。

 

24:ここの石油は誰のものか

 

ここでの一つの問題は、ここの石油は誰のものかという問題です。中国側は、沖縄トラフまでが東シナ海の大陸棚であるから、ここまでが中国の権利である、日本にはないよ、という考え方に立っている。それに対して日本側は、日本の南西諸島は東シナ海の大陸棚の上にある。したがって中間で分けるんだと言っているわけで、それが日中中間線になるわけですが、そういう問題がある。この問題は政治的に解決するしかないわけです。あとは力で押し切るか、ということになるかと思います。

南西諸島が大陸棚に乗っているか、乗っていないかということは、地質学の問題でもあります。国際法とはまた別の問題でありますが、木村先生は海洋地質学ということから、この大陸棚についての研究をされているわけですが、十分立証されているものではありません。

 

25:沖縄テレビの30分番組

 

1992年に中国の石油開発がだんだん進んでくるというところで、沖縄テレビが東シナ海の石油開発に関する30分番組をつくりました。一つは海洋戦略という政治がらみの問題をやって、これは私が引き受けてつくり、もうひとつは、一体ここに石油があるのかないのか、あるいはこの東シナ海は、科学的にいって日本に権利があるのかないのかということを木村先生が担当して一本つくるということで、30分番組を二本つくったのです。

 

 

 

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