それとも、日本としてはなんらかの形で21世紀型の新しい国益概念に基づいて対応が可能か?そのあたり、外交的な観点からどうお考えになるのかお聞きしたい。
軍事的な側面では、先週来、中国が空母を買うのではなくて独力で建造するという報道が「明報」(香港紙)でなされました。大陸系の香港紙には、それを否定するコメントが出ました。中国の空母保有計画について、先生は今後どういう展開を予想していらっしゃいますか?
それから中国の軍事費の不透明性ですね。二桁の伸び率があいかわらず続いている。これが、将来どういう質的変換をもたらす可能性があるのか?
最後に、防衛庁は何らかの形で日中間の安全保障対話を進めようとしてきましたし、これからもまた進めようとしています。日中安全保障対話から何かが生まれてくるのでしょうか。どのような形の対話からの転換が可能なのか?そのへんをお聞きしたいと思います。
小川 本日は、研究委員会の最終回でもあり、知識の啓蒙と普及のためにマスコミの方にも参加していただいております。
46:やくざに対してはこちらもやくざでやるほかない
平松 (2時半も講演させられた上で、さらに)この席でまで何かやらされるのだったらもう逃げて帰った方がよかったなという感じがするんですが(爆笑)、全ての質問にお答えしないことになるかも知れません。質問をメモしなかったものですから、どういうご質問だったかはっきりは覚えていないんですけれども、申し訳ない、私も年をとったものですから(爆笑)すぐに右から左に抜けてしまって、一番はじめは何でしたか。(数名「日本はどういう対応すべきか」)。
そうでしたね。私は研究者に徹しようと思っている人間ですので、あまりオピニオン・リーダーみたいなことはやりたくないということで、原則やらないことにしている。要するに中国がやっていることを皆さんに示すから、その先は考えてほしいということなんです。
ところが、それではなかなか済まなくなってきているので、私は勝手なことを言うようになっているんです。やはり中国のやっていることはやくざみたいなことですから、やくざに対しては紳士面してやってもしょうがない。やくざに対してはこちらもやくざでやるほかないと思うんです。
そのためには何もなしにやるわけにはいかないですから、拠り所となる力を持たなければならない。力があって脅しをかければその脅しがきくわけであって、何もないところで脅したってそれは何もならないわけです。そういう意味で、日米安保はもちろん基本ではありますけれども、日本が日本としてやるべきことをやって、こちらもやくざみたいな態度で脅すということをやるほかないだろうと思います。
いま19世紀的ということをおっしゃいましたけれど、結局中国という国は、私は19世紀的というよりは、やくざみたいなものだと思っていますから、やくざにはやくざで対抗するということだと思うんです。
具体的には、私はもう前から言っているんですけれども、何も遠慮することはないわけですから、海上自衛隊が堂々と東シナ海で演習をやればいいわけです。