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関係行政機関、地方公共団体等は、当該油汚染事件に対し迅速かつ適切に対応する観点から、事件の終息に至るまでの当該油汚染事件に関し、必要に応じ、相互に緊密な情報の交換を行う。

 

第4節 油汚染事件の評価

海上保安庁は、油汚染事件発生の情報を入手したときは、更に詳細な情報を得るように努め、巡視船艇、航空機を油汚染事件発生場所に急行させるほか、必要に応じ、派遣された自衛隊機等の協力を得て、当該事件の調査を行う。事件の調査結果に基づき、その規模及び態様を分析し、第2章第1節の情報を踏まえ、気象・海象の状況、船舶交通の状況等を考慮して、当該事件の影響を評価し、対策の実施に資するよう、これを官邸、関係行政機関、地方公共団体等に提供する。

また、環境庁及び水産庁は、海上保安庁その他の関係行政機関、地方公共団体等からの情報に基づき、当該油汚染事件が野生生物及び漁業資源に及ぼす影響の評価を行い、これを、野生生物の保護、漁場等の保全等の対策の決定に反映させるとともに、その他の対策の実施に資するよう、速やかに官邸、関係行政機関、地方公共団体等に提供する。

 

第5節 油防除対策の実施

 

1 油汚染事件が発生した場合、海防法に基づき応急措置を講ずべき船長等及び防除措置を講ずべき船舶所有者等の関係者による措置が実施されることになるが、海上保安庁はこれらの措置義務者の措置の実施状況等を総合的に把握し、措置義務者に対する指導、援助・協力者に対する指導を行う。防除措置義務者が措置を講じていないと認められる場合は、海上保安庁はこれらの者に対し、防除措置を命ずる。

緊急に防除措置を講ずる必要がある場合、海上保安庁は、自ら防除措置を実施し、又は海上災害防止センターに対して防除措置を講ずべきことを指示する。

2 油汚染事件が発生した場合の排出油の防除には、例えば、次のような措置があるが、排出油の種類及び性状、排出油の拡散状況、気象・海象の状況その他の種々の条件によってその手法が異なるので、防除作業を行うにあたっては、まず、排出油の拡散及び性状の変化の状況について確実な把握に努め、第4節の評価の結果を踏まえて、状況に応じた適切な防除方針を速やかに決定するとともに、関係行政機関、地方公共団体等が協力して、初動段階において有効な防除勢力の先制集中を図り、もって迅速かつ効果的に排出油の拡散の防止、回収及び処置を実施をする。

 

 

 

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