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5] 漁船が集まって操業している中や小型漁船の近くを高速で航走しないこと。

6] 海上作業、水中作業、測量作業などをしている船舶に近づかないこと。

7] 定置網や養殖施設の近くで走り回らないこと。(特に水上オートバイ)

8] 遊泳者のいる海域、スキューバダイビング海域などには接近しないこと。

2 安全運航への思いやり

最近は小型の高速船や高速の旅客船などの航行も増加しています。

これらの高速船はアッという間に接近するため、従来の遅い船舶同士の考えとは一味違った運用が必要と言われています。

また、VLCCなどの大型船舶と比較的小型の船舶との関係についても、大型船は運動性能が悪いので、水道内、港湾内、沿岸部では大型船の方から避航動作をとることが困難な場合が多いとの指摘があります。

ジェットフォイールのような高スピードの船舶は超高速船と呼ばれ、これらの超高速船の航行について、最近「先行避航」という用語が使用され、指導が行われるケースも見られます。

その「先行避航」の中身は、例えば超高速船と普通の速力の船舶が“このまま行けば”予防法上の「横切り関係」に入ると思われた場合、予防法上の「衝突するおそれ」の関係を生ずる前に、速力の早い、運動性能のよい超高速船の方から、早めに積極的に相手船の後ろ側に変針(余裕があれば前方も有り得る)して、横切り関係に入ることなく両船とも安心して安全航行できるようにするということです。

陸上の例であなた方が経験するものとしては、高速道路の左の走行車線を走っていて、サービスエリアからの進入路が見えた場合、また進入路に出てくる車を見たら、早めに右の車線に変更して進入車が走行車線に入り易いようにしていますね。

 

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超高速船はもとより、プレジャーボート等や比較的小型の高速旅客船も、特に相手船が大型船など運動性能のよくない、または運動が制約される船舶(海域の場合もある)との関係で、このような“早い時機”における相手船の後方への変針は、マナーというよりはもっと高度の概念での航法ではないでしょうか。

「思いやり航法」と言ってもよいのかもしれませんね。

 

 

 

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