(2) 道路交通流からの評価
LRVが併用軌道を走行する場合、交通信号機の制御方式と交通流から影響を受ける。そこで、道路交通を犠牲にしないLRV優先信号方式など道路交通流から評価する。
(3) 利用者の視点からの評価
旅客流動の影響により路面電車は、停車時分が増減し、いわゆるダンゴ運転となり、利用面からの隘路が生じがちである。そこで、旅客流動の影響による停車時分の増延、混雑率、損失時分など利用者の視点から評価する。
(4) 総合評価
各視点からの総合評価を行う。
5.2 車両の運行管理面からの評価
5.2.1 高速運転と減速度(LRVの高速化に必要な減速度)
目視運転をベースにLRVを高速化する場合、減速度を向上し、現行の路面電車のブレーキ距離と少なくとも同一のブレーキ距離で停車できるようにする必要がある。
現行の路面電車として東京都交通局の7500系の減速度を3.0km/h/s、ブレーキの空走時秒を0.7秒、最高速度を40km/h、LRVの最高速度をVとすると、LRVに必要となる減速度βは次式で求められます。
β = (V/3.6)2/(2×((40-V)/3.6)0.7+(40/3.6)2/(2×(3.0/3.6)))) (m/s2)
上式に高速運転日の実用日な最高速度50km/h、55km/h、60km/hをそれぞれ代入して減速度βを求めた結果を表-5.2.1に示す。表には減速度の単位として、m/s2、G、km/h/sの3種で表示する。
このLRVの60km/h時の減速度0.2Gは、鉄道としては大きな値であるが、バス並みの減速度で、道路交通信号システム設計時の自動車の減速度0.3Gに比べ小さい値で、ヨーロッパのLRVの非常ブレーキ減速度も0.3Gであるので、この値は許容されるものと考えている。