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(3) IMOとの関係3)

ISOは以前から国連の専門機関であるIMO(国際海事機関International Maritime Organization)の諮問的地位にあり、協調関係を保ってきていたが、近時益々その関係は密なものになってきたように思う。IMOはregulationsを作り、ISOはstandardsを作るという両機関の任務の中で、ISOが作るstandardsを、IMOの作るregulationsがreferするという関係で、IMOの作るregulationsが精密なものになればなるほど両機関の関係は緊密なものになると思われる。

 

5 ASTM標準オイルフェンス接手

1986年、ASTM小委員会F20.11は標準オイルフェンス用接手を開発した。

改訂された標準は1994年6月に承認された。現在ではこの内容はASTMから出版されたASTM標準の1995年版に掲載されている。この標準は、各メーカーからのオイルフェンスがその製作法などを特に規定しなくても、必ずどれにも合うように開発された。

図1は承認済みの1994年のASTM端部接手の構造を示している。

この基準使用を指定する意図は、各種のサイズ、強度、設計及びメーカーの製品の相互結合可能な漏油対応のオイルフェンスを提供したいからで、提案した設計基準はフックによる結合の設計方式を要求している。

“Z”接手は、クロスピンに届く十分な長さの繋留索によって、オイルフェンスの各端部に取り付けた自動ロック・クロスピンと堅く結合される。また、全高が24インチ(610mm)以上のオイルフェンスに対しては二番目のピンが示唆されているが、この接手は、フェンスの高さについて、最低1,200lbs/in(10,500N/50mm)の引張り強度を持つこととしている。

さらに、接手については下記の設計基準を必要としている。

・ 十分な機械強度を持つこと。

・ 油の漏洩を最低に押さえること。

・ 雌維接手や右ネジ/左ネジの接合を持たないこと。

・ オイルフェンスの全高は十分に高く、接手はその一部にあること。

・ オイルフェンスの安定を損なわないこと。

・ 組立時特殊な工具を必要としないこと。

・ 乾舷の高さを減少しないこと。

さらにできれば:

・ 結合が早く行え容易であること。

・ 軽量なこと。

・ 水中でも結合可能なこと。

・ 砂やごみを容易に清掃できること。

・ 取扱者には基本的に安全であること。

・ 据付、交換が容易なこと。

端部接手とクロスピンの材料は海水による腐食に耐えられるものとする。重量、機械的強度、化学的耐蝕性、柔軟性及び使用予定の環境状態に配慮されている限り、オイルフェンスの接手の製作に対してどんな材料を使用しても構わない。

 

 

 

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