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3 自己かく拌型分散剤等の有害性調査

舶査第52号の試験項目は、引火点、動粘度、乳化率(本委員会では乳化率を分散率と呼称している。)、界面活性剤の生分解度及び対生物毒性である。このうち対生物毒性は、沿岸性植物プランクトンであるスケレトネマ・コスタツムを1週間、当該油分散剤の含有量100ppm以上の溶液で培養したときに、当該スケレトネマ・コスタツムが死滅しないこと、かつ、魚類であるヒメダカを24時間、当該油分散剤の含有量が300ppm以上の溶液で飼育したときにその50%以上が死滅しないことが要件とされ、ヒメダカによる方法は、急性毒性試験(JIS K 0102(工場排水試験法)7.1に規定された魚類による試験により行われる。

平成10年度の本調査において、S-7に対する対生物毒性が実施され、S-7が舶査第52号の基準を満たしていることを確認した。また、S-5、S-6及び外国製に対する急性毒性試験並びに身近な家庭用品に対する急性毒性試験を実施し、これらの有害性を調査し、S-7との比較を行い有害性の位置付を確認した。

なお、急性毒性試験は、S-7については海上保安試験研究センターへ、他の分散剤等については(財)日本食品分析センターへ依頼した。

 

(1) 調査結果

S-7に対する対生物毒性の調査結果は、表3-2-14に示すとおり各試験項目において舶査第52号の基準値を全て上回る良好な結果であった。

 

表3-2-13 S-7の有害性

103-1.gif

 

また、S-5、S-6及び外国製に対して、ヒメダカを用いた急性毒性試験を実施した。この試験結果とS-7の結果をまとめて表3-2-15に示す。

 

表3-2-14 各供試体の有害性と分散率

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備考 分散率は、MDPC法(但し、振とう時間は20分)による

 

 

 

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