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さらに、家庭用品である洗濯用洗剤、台所用洗剤及びインスタント・コーヒーについて、ヒメダカを用いた急性毒性試験により有害性を調査しS-7と比較した。その結果を表3-2-15に示す。

 

表3-2-15 各供試体の有害性の比較

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備考 表中の数値は、値が高いほど有害性が低いことを示す。

 

(2) まとめ

表3-2-7によると分散剤の有害性は、S-5=S-6<S-7<外国製の順に高くなり、外国製は基準値3,000ppmをはるかに下回る750ppm以下であり、我が国での使用が困難な製品であることが分かった。

S-7は、基準値の約1.5倍になる4,300ppmの結果を示した。一方、S-5及びS-6は、基準値の4倍となる12,000ppmの結果を示した。これは、表3-2-2に示す各試作分散剤の界面活性剤と溶剤との配合比が異なることが要因として挙げられる。界面活性剤でみると界面活性剤2はS-7で50%、S-6で25%、S-5でO%である。また、溶剤では溶剤2を使用しているのがS-7のみとなっている。

有害性が高くなった要因としては、分散剤S-7の配合構成比から界面活性剤2の量の問題なのか(S-6に対して)、溶剤2の使用(量を含めて)による問題かの2点に絞られるが、本委員会では時間的制約もあり別の機会に調査することとした。

また、家庭用品の有害性については、洗濯用洗剤が台所用洗剤より約6.6倍高く、S-7と比較すると洗濯用洗剤は500倍、台所用洗剤は約76倍有害性が高いことから、S-7は、海洋生物等に対して有害性の少ない分散剤であることが位置付された。

なお、インスタントコーヒーは、24時間のLC50が2,700ppm、148時間のLC50が1,500ppmの結果が得られたが、本委員会では参考値として取扱うこととした。

 

 

 

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