日本財団 図書館


先に述べたとおりスクィーズ式ポンプを搭載したコンクリートポンプ車は、スクィーズ式ポンプを逆転することで単独での油回収が可能であるが、ポンプの原理上揚程が10m以上では吸引が不能となる。このことはコンクリートポンプ車の設置場所が限られることになり、屈折式のブームを持ち高低差の大きい場所でも自由にブームを伸ばすことにより現場での回収作業ができるという利点を発揮できないこととなる。

このコンクリートポンプ車の短所と、強力吸引車のホースの先端の人力による保持という短所の両者をお互いに補完するために両車両をホースで連結した場合、強力な吸引力と回収ホースの先端部の制御が可能となり、油防除作業にとって極めて有効な方法と成りうる。ナホトカ号流出油事故に際し、実際に用いられた連結方法を図2-1-10に示す。

 

069-1.gif

図2-1-10 コンクリートポンプ車と強力吸引車の組み合わせ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION