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ただし、水の流れを利用する原理の油回収装置については、集油装置で発生可能な水流の流速(表面流)が限られていることから、新たな設備と研究が今後の課題として残った。

 

(4) 試験条件

基本的な試験条件は次のとおりであるが、油回収装置の回収原理等によりこれによりがたい場合は別途検討することとする。

1) 回収開始は移送ホースから油木が回収タンクに排出された時とし、回収終了は、回収経過時間または回収タンク内の油水の量、試験油の残量等を勘案し回収装置(スキマーヘッド)の作動を停止した時とする。

2) 波浪中の試験における波浪条件は、波長8m-波高24cmとする。ただし、初期波浪条件で回収が困難な場合は、状況を観察しつつ波浪条件等を変更する。

3) 回収油水の量には、移送ホース内の油水は含まないこととする。

 

(5) 観察・計測項目

1) 試験時における油回収装置の挙動、油水の回収状況、移送ポンプの可動状況等を観察し、記録する。

2) 回収した油水を10分間静置した後(分離が不十分の場合、さらに静置時間を延長させる。)、油水の分離状況を観察する。

3) 回収した油水量及び試験油量を計測し、回収時間から「時間当たり油回収能力(ORR)」及び「油回収効率(RE)」を求める。ORR及びREの算出は次式のとおりである。

時間当たり油回収能力(ORR;0il Recovery Rate)

= 回収油量(kl)/回収時間(h)

油回収効率(RE;Recovery Efficiency)

= 回収油量(kl)/回収油水量(kl)×100

 

(6) 試験要領

基本的な試験要領は次のとおりであるが、油回収装置の回収原理等によりこれによりがたい場合は別途検討することとする。

1) オイルフェンスを「図1-1-1」に示すよう試験水槽内にU字型に展張し、集油装置を作動させながら試験油1を若干量投入し、装置を駆動させ、各装置の作動試験を行う。作動試験後の移送ホース内の油水はそのままとし、第1回目の試験と第2回目以後の試験における移送ホース内の油水の残量の条件を同じとする。

 

 

 

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