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涼しい五箇山利賀(とが)村に糖尿病が燃えた

−過去最大のキャンプ−

[医師]

日本糖尿病協会富山県支部 富山小児・ヤング合同糖尿病委員会代表黒部市民病院内科

高桜英輔(たかざくらえいすけ)

 

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富山県の糖尿病サマーキャンプは、ヤングを中心に平成5年に第1回を有峰で開催してから、今回で7回目を迎えます。今年からは、それまで一緒にしていた小児とヤングのスケジュールを一応分離し、場所は両方一緒に利賀(とが)少年自然の家で、2泊3日にわたり開催されました。参加者178名と過去最大の人数となりました。

小児キャンプは、イワナつかみ、キャンプファイヤー、ヤングと合同での山岳オリエンテーリング(小学3年生以下は川で水遊び)などを楽しむ一方で、双六ゲームのなかでインスリンの呼吸や低血糖などについて楽しみながら学習をしたり、血糖自己測定(SMBG)や自己注射の実践など教育プログラムも盛り込みました。父母とスタッフ、ヤング(リーダ格の経験豊かなヤングボランティアとして参加)を交えた懇談会では夜更けまで、熱のこもった議論が展開されました。

2日目の夜には、東京女子医科大学糖尿病センターの内潟安子先生の基調講演を拝聴した後、父母との個別懇談が深夜にまでおよびました。

以上のように今回のキャンプの特徴は、動揺している患児の親を対象としたプログラムに力点が置かれ、かつ手ごたえを十分に感じることができたことにあります。

ヤングキャンプの方は、企画、運営はすべてヤング自身で行い、スタッフの支援は事務的なものにとどめました。このように変容することができる理由としては、昨年和歌山で開催された全国ヤングトップセミナーにTYNC(富山ヤングネットワークサークル)のメンバー2人が参加し、おおいに啓発されて帰ってきたことがあげられます。

 

小児からたくましいヤングへ

[医師]

富山市民病院小児科

岡部敬(おかべたかし)

 

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数あるDMサマーキャンプの中でも、ヤングと小児の合同キャンプは少なく、「その運営の仕方や、合同の意味は?」と聞かれても、まだまだこれからという感じです。

ただ、今回のキャンプで感じたことは、小児やその父母が、ヤングとの交流を通して、よい面、悪い面も併わせ持つ、生きた手本としてのヤングから得たものは大きかったということです。キャンプに参加した小児が、一層たくましいヤングへと成長することを期待します。

 

 

 

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