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市村 でもそれは10年ぐらいかければ。民主党には簗瀬進さんという人がいますが、簗瀬さんが参議院議員になられて、選挙が終わったときにかなり民主党は勢いがあったわけです。ひょっとすると政権党となるかもしれないというので、これはひょっとするとひょっとするから、みんな集めて、簗瀬さんと話をして、民主党のために文化政策をつくりたいといって研究会を始めたけど、何となく勢いがなくなってきてしまった。

A 話の途中ですが、おっしゃるとおり、そのとき政権政策委員会をつくって、まとめて、あるいは政権運営をまとめて、ご存じの菅さんのスキャンダルでああなって、またここにきて元気になっているもんですから、いずれにしても総選挙が近いということもあって打ち出す。もちろん、その約束は勝っても負けても守る方向で努力する。とにかくそういうことになるわけで、やはり責任を持ったものを打ち出したいなと思ったわけです。どこまでやったらいいのか。

市村 相当踏み込んでやっても大丈夫だと思います。今も言ったように、インフラ整備というのは、僕から見ると逆に意外とアートそのものから逃げている。内容に踏み込むということを非常に怖がっているところがある。何かその辺はアートは不可侵というようなところがある。変な誤解があるんです。それも全く誤解です。どんどん踏み込んで結構。別にそんなこと問題ないと思うんです。

B 具体的な事例なんですがね。私は昔、利賀村に行ったことがあるんです。利賀村と鈴木さんのところが一緒になって。鈴木さんにインタビューしたり、たまたまイタリアの何とかという芸術の都市会議があって、村長とイタリアの市長と対談とか、ちょうど出版の編集長だったので、そんなことを企画してやったことがある。ところがそれがうまくいくかなと思ったら、結局そのころでも1000人に満たない村で芸術祭をやると1万人を越える人が集まる。それが長いときは1ヵ月ぐらいにわたってやる。ご存じのとおりなんですが、結局それは鈴木さんの場合も成功しないで、水戸へ移る。この事例は、村の全体からすると、一つは村づくりにつなげたいと思ったんですが、芸術性と行政というか、経済性というかわかりませんけれど、ぶつかって、水戸へ行ってしまおうということがあった。こういうのは、文化の需要、道具という意味ですかね。

市村 これは僕から見ると、その時代だからそんなやり方をやっちゃったんだろうけど、今だったらもう少し違ったふうになるんじゃないかと思います。

 

 

 

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