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第2部 巻末資料

 

「日本は何を目指しているのか:日本の安全保障戦略」

長島昭久(外交問題評議会)

1999年6月30日@東京財団

 

1. 貧困な日本の安全保障論議

 

今の日本で行われているのは、いずれもが「危機管理」や「国防政策」のレヴェルに止まっており、とても総合的な安全保障戦略というものではない。

 

2. 安全保障戦略とは、

 

単なる「国防政策」にあらず、単なる外交政策にあらず。

安全保障戦略とは、国防政策と国際関係の組み合わせ。

戦略目的は、国家の「安全と安定」:「安全」とは国民の生命と財産と利益の確保、「安定」とは経済的繁栄を可能にする国際環境の確保。

 

3. 「良心的保守主義者(Conscientious Conservative)」の安全保障戦略

 

安全保障政策の要諦は、「抑止」(deterrence)とともに「(対外的)安心」(reassurance)具体的には、精強な国防力(strength)と同盟関係(alliance)を基礎に紛争を「抑止」し、国際秩序維持に責任ある外交防衛政策(responsible)と、それを支える説得力ある論理(accountable)と透明なプロセス(transparent)によって、「安心」を確保する。

 

 

 

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