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そのときには我々の政策の一部は実行に移すことができると思います。94年から現在までの問題を振り返ってみますと、いろいろな意味で革命のために努力し、また目標も掲げてまいりましたが、本当にそれを実現するだけの力と票数がなかったのであります。これが、結果として民主党を怒らせてしまったのであり、そして一方で保守や共和党員を落胆させてしまったというようなこともあります。ですから、約束したことを実現することができないために民主党、共和党の両方から非難されることになったのです。しかし、実際のところ下院での優位が非常にわずかなために、このような目標を達成するには困難な状況にあるのです。今年来年はおそらく重要な法案が成立するということはおよそ想像し難い状況です。成立する法案といえば、おそらく妥協案になるでしょう。完全なる妥協案だと思いますので、言い換えますならばこれはまったく意味のないものになってしまいます。

大きな国内問題、例えば社会保障の改革、そのシステムの民営化、税制改革、例えばフラットタックスの導入といったようなものは、今年来年については成果を出すことができません。票数が足りませんし、議会での共和党の優位がわずかなので我々の思い通りの法案をとおすのは困難なのです。今年来年は無理であろうと思います。このような変化をもたらすようにするためには、共和党の大統領と、上院および下院における多くの共和党の議員が必要ということになります。

期待できるのはせいぜい、共和党および民主党両方の間における妥協の産物でしょう。両党とも選挙で勝つために妥協案を通過させるかもしれません。しかしその妥協案は99年、2000年の活動にとって実質的には無意味でしよう。結果として基本的には現状維持の政策がとられるのです。加えまして大統領が8年間も大統領を続けて、今年で最後の2年に入るわけですが、いろいろ発言を続けることはできても、行動の面ではかなり束縛されます。ですから外遊をし、そして副大統領アル・ゴアもいろいろな国葬、お葬式に行くことになろうかと思います。クリントン大統領はエアーフォースワンで飛んで、大きなリムジンで外遊をすることになるでしょうが、あまり中身はないと思います。

しかし、それを除いたとしても、弾劾裁判で無罪と決まり、非常に大きな勝利を勝ち得たことになりますので、大統領はいつもどおり何らかの政治的な報復に乗り出すのではないかと思われます。弾劾をしようとした人たちに対する報復に出るということが考えられますが、今やレイムダック(次回再選がなく、任期中ではあるが力を失っているあるいは失いつつある大統領の状態のこと)になっておりますので、それができるかどうかは別といたしまして、2年かけて報復をするのではないかということが考えられます。

 

 

 

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