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吉原(司会) それでは国際セミナーを始めさせていただきます。私は、国際研究奨学財団(現東京財団)の主任研究員をさせていただいております吉原でございます。よろしくお願い申し上げます。国際研究奨学財団につきましては、お手元にパンフレットがございます。詳細につきましては、ご覧いただくということにいたしまして、簡単なご説明をさせていただきたいと思います。

国際研究奨学財団は、97年7月に設立をいたしました非常に新しい財団でございます。運輸省の所管財団でございまして、日本の公共政策を研究する研究事業部と、海外の大学に奨学金を給付する奨学事業部が中心の組織です。研究事業部の事業内容としては、日本の政策形成に寄与することを目的とした研究プロジェクトと内外の研究者の交流を目的としたプロジェクトがございます。ご臨席いただいております竹中先生は当財団の常務理事を務めておられます。

私は、今回は交流事業の一環で、昨年の7月から2月まで、財団の主任研究員といたしましてアメリカのジョンズ・ホプキンス大学SAISに客員研究員として行っておりまして、アメリカ議会の研究をいたしております。ちなみに私は、まだ今年の7月までSAISに在籍をする予定です。

今回のセミナーは、ファンダーバーク先生をお迎えして開催するわけですけれども、同時通訳という形で進めさせていただきます。

それでは、セミナーの方に入らせていただきたいと思います。国際セミナーということで、大変お忙しいなかファンダーバーク先生そして竹中教授にご出席をいただいております。最初にお断りをさせていただきますが、竹中先生はコメントをされたあと退席をされます。ご了解をいただきたいと思います。

まず、このアメリカの議会とクリントン政権の行方、そして日米関係に与える影響ということですが、先週末にクリントン大統領に対する上院の弾劾裁判が、大統領の無罪ということで終止符が打たれました。この一連のやり取りを目の当たりにして、恐らく皆さんもお感じになったことだと思いますけれども、アメリカの大統領の威信の低下、そしてアメリカ議会の発言力の増強といいますか、アメリカの議会の存在感というものが非常に大きくなってきたという印象をもたれたのではないかと思います。現在のアメリカ政治におきましては、大統領府と議会の関係が大きく変わろうとしております。このことは、冷戦後のアメリカ大統領、もしくは冷戦後のアメリカ政治をどう認識していくかという大きな視点で捉えていくべき問題かもしれません。

 

 

 

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