日本財団 図書館


今まさにこういう時期に議会が開催中でございます。ファンダーバーク氏は現在議員ではございませんが、アメリカの共和党議会首脳部と非常に強いパイプをもって、議会関係のお仕事をされています。ちょうど議会の閉会中に一週間、日本にわざわざ来ていただいたということでございまして、こういう時期にファンダーバーク氏をお迎えして、ホットイシューでありますアメリカの議会とクリントン政権、そして日米関係の行方にまで言及していただけるという機会を得ましたことは、誠に時宜を得たものではないかと思います。

アメリカ議会が強い発言力をもつようになったのは、1994年の中間選挙で、共和党が民主党に代わって40年ぶりに下院で多数党になってからです。この40年という長い年月は、自民党の一党支配が38年で終わったということから考えても、いかに長かったかということが言えるのではないかと思います。我々日本人はともするとこれまで議会に対しましては、この40年間という年月もございますので、民主党との付き合いが多かったし長かった。そのためにどうしても議会に対して、特に議会の共和党に対しては、色眼鏡で見てしまうという傾向があります。しかし、最近共和党が主張している政策提言、これは「小さな政府」とか、減税や規制緩和などは、現在の我が国が積極的に取り組んでいかなければならない重要な政策課題でもあるわけです。共和党が主張するこうした政策に、十分かつ直接に耳を傾ける必要があるのではないかと考えております。

幸いにも小渕内閣では、経済戦略会議が昨年末にまとめた政策提言で、「小さな政府」とかレーガノミックスを再評価するという政策の方向を打ち出しております。この点はまさに適役中の適役でございますが、コメンテイターとしてご出席いただいております竹中先生のご専門でありますからお任せをいたしますけれども、竹中先生は経済戦略会議の中心メンバーとしてこの提言を中心的にまとめられたお1人であります。

ファンダーバーグ先生についても改めてご紹介する必要はございませんけれども、ルーマニア大使を81年から85年までレーガン政権下において務められました。先ほど申し上げましたように94年の中間選挙後の第104議会、革命的な議会のなかで2年間下院議員を務められまして、ギングリッジ前下院議長を支え、そして今でも共和党の議会指導部と非常に強いパイプをもたれている方でございます。本日は同時通訳ということで、非常にことがうまく運ぶでしょうが、私がこのマイクの操作を間違わなければの話でございます。努めて間違わないようにさせていただきますが、まず最初にファンダーバーク先生に20分から30分で基調のスピーチをいただきまして、そのあと竹中先生にコメントをしていただきたいと思います。それではファンダーバーク先生、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION