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(2) 社会施設、医療社会施設

 

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「集合住宅」は低家賃のケア付き賃貸マンションで、施設にはレストラン、集会所、看護室などが備わっている。入所者は希望によって、有料で種々のサービスを受けることができる(利用料金は家賃とは別に設定されている)。ある程度の自立した生活ができる高齢者が入所するが、必要な場合には、外部から家事ヘルパーや在宅医療ケアなどのサービスを受けることもできる。

集合住宅は主に市町村の政策で建設され、自治体や非営利目的協会が運営している。民間が営利目的で経営するケア付き高級マンションは「レジデンス」と呼ばれる。

 

◆老人ホーム(maison de retraite)

老人ホームは、高齢者の日常生活を全面的に世話する施設である。共同スペースのほかに、入所者個人の居住スペース(浴室、ミニキッチン付きのワンルームが多い)があり、施設にはレストランや洗濯などの各種サービスがある。

医療ケアも行える施設は、老人ホームではなくMAPAD(要介護高齢者受け入れホーム)という名称で呼ばれることも多い。このタイプの施設は、ベッド数が80を越えないことが条件となっている。医療施設がない施設、あるいは医療部の認可申請中の施設は、MAPA(高齢者受け入れホーム)と呼ばれる。

また農村部には、農業社会共済(MSA)が設立する老人ホームである「MARPA(高齢者農村受け入れホーム)」がみられる。このタイプでは、収容人数を1ホーム当たり15〜20人に制限している。

精神障害がある高齢者を少人数受け入れて、主婦役の責任者のもとに高齢者が共同生活をおこなう「カントゥー(cantou)」もある。ここでは痴呆老人にも共同生活の中で責任を持たせて、積極的に生活させることが特徴となっている。社会施設に付属している場合と、カントゥーだけの施設がある。

 

 

 

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