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社会参加システム推進グループ

 

またそしてなぜJC?――JC再論

 

社会参加システム推進グループでは、「新しいふれあい社会」を地域で実現する一つの仕掛けとして、96年より地域に密着して活躍するJC(日本青年会議所)への働きかけを行ってきました。JCメンバーの任期が1年限りのため継続性という点で課題はありますが、JCがNPOと連携するというケースなども生まれています。

 

「さすがJCさん、参加していただくだけで、行政や企業の対応がびっくりするほど変わりました。本当にありがとうございました。お聞きしたところ、毎年、人が替わられるということですが、来年もぜひともご協力をお願いしたいと思います。大丈夫でしょうか」「大丈夫ですと言いたいところなのですが、おっしゃる通り、毎年、理事長が替わりますので、年度方針も変わります。次年度に申し送りはいたしますが、今の時点で確たるご返事はできません。悪しからず、ご了解ください」

毎年秋口から年末にかけて、このような会話が全国津々浦々でJCマンとNPO(非営利団体)の代表との間で交わされていると思われます。JCが単独でイベントをやり、提言書作成のみをやっていた時代には、あまり聞かれなかった前述の会話がここ2〜3年よく聞かれるようになりました。

JCマン、とりわけ誠実に活動している人ほど、この事業継続のジレンマに悩みます。熱血JCマンの中には、この点をよく理解しつつ、自分でNPOを立ち上げ、JC現役・OBの有志、さらには他のNPOや一般市民を巻き込み、形こそ変われ、実質的に事業を継続している方々もいます。

たとえば新居浜でNPO支援のNPO『Good Will(グッド ウィル)』を立ち上げた白石氏、鳥羽で『でもくらしちずん』を立ち上げ、塾長として鳥羽のまちづくりでユニークな活動をされている中村氏、『まちづくり市民財団』を中心になって立ち上げた97年会頭の村岡氏、愛知県の『市民フォーラム21・NPOセンター』で活躍されている服部氏、いずれの方々もJCのOB。現役では『呉未来塾」を立ち上げた大木氏らの活動が、その代表例といえましょう。財団としてもできる限り、これらの活動を支援させていただきたいと思います。

ところで今、当財団が現役JCマンにお勧めしているのは、事業もやるが地域のさまざまな分野のNPOをネットワークし、メンバー間の交流、情報交換や研修を主目的とするNPOのJC主導による立ち上げです。先に紹介したNPOよりも、もう少し、軽いタッチで取り組め、誰もが気軽に参加できるNPOです。下手をすると理念や責任の所在がうやむやになって人心が離反していく懸念もないわけではないので、運営面でむずかしい点もありますが、JCマンが取り組むにはふさわしいプロジェクトと思われます。

すでに愛知県の穂の国JCが『穂の国まちづくりネット』を、栃木県の佐野JCが『安佐NPOネット』をそれぞれ立ち上げ、千葉県の浦安JCがこの方向でNPO立ち上げを検討しています。ご成功を祈念してやみません。

(蒲田尚史)

 

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『穂の国まちづくりネットワーク』主催の「第1回まちづくり塾」で介護保険の説明会を実施。

 

ふれあい社会づくりグループ

 

苦心惨たんしつつスタート!

ネットワーカー養成講座

 

実現までに2年間の歳月を要し、その間に多くの議論を生んだ「ふれあいネットワーカー」。福祉の"スーパーマン"(?)とも言われるふれあいネットワーカーの養成講座の受講生には、前提として、かなり厳しい条件を付けさせていただきましたが、自薦、他薦をあわせ、さまざまな方からご応募いただきました。第1回目の講座(第1組目、第2組目)について、その模様をお知らせします。

 

●第1組目(10月9日、10日)

多くの期待と不安、そして並々ならぬ福祉への熱意を持った受講生22名が各地から集合。在宅福祉の市民団体からは約10名、行政からは3名、また民間企業からの参加もありました。

カリキュラムは、福祉などに関する地域活動をされている方や学識経験者による実例発表が中心。次々に発表される事例に圧倒され、「こんなにすごい人たちがいるとは! 恐ろしいところに来てしまった」という受講生のボヤキも。

終始、発表者の活動に関する質問が相次ぎ、本題の「ネットワーカー」の役割、意義について常に意識をしながら、議論することがとてもむずかしいことを痛感。それでもコーディネーターの岩見太市さんをはじめ、みなさんのご協力でなんとか受講生のフィールドワークのテーマも決まり、いざ出陣です!

 

 

 

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