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今月の私の一冊

 

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『尊厳死か生か』

畑中良夫編著

(日本教文社 本体定価1619円)

 

推せん・湯浅文代さん(香川県)

 

「ALS患者の国方さんのワープロ日記はすごい力を持ち、医療現場を大きく動かしたと思います。」

 

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、筋肉が順次萎縮していき、運動機能が不能になり、ついには呼吸障害まで起こす一方で、感覚器機能は侵されないという原因不明の難病。身体は思うままにならないのに意識も知能も視覚も聴覚も感情も働き続ける。この過酷な運命に立ち向かう患者たちのワープロ日記と現場で働くスタッフの手記を通し、動くことのできない人が人工呼吸器を使って生き続けることは無意昧なことなのか、ALSに取り組み、患者主体の医療を追及する医師が問いかける。(編集部)

 

「もちろん肉体的なハンディも辛いが、それ以上に話し相手が色んな意味で乏しくなること、たとえば、契約などの交渉事にかつての威力が無く、業者も小生の意向を飛び越える。それと私もかつてそうだったように、社会一般は障害者に冷たい。こんな事を考えながら、一日は過ぎて行く。」(第一章「患者さんとご家族の声」より抜粋)

 

最近読んでおもしろかった本を、誌面で紹介しせんか?(新刊書でなくても結構です。小説、随筆なんでも可)編集部までお知らせください。

 

 

 

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