日本財団 図書館


四月からはじまる介護保険は一つの手立てではあるが、それで介護や支援の手が必要な入の間題すべてが解決するわけではない。介護保険の枠外となる部分をいかに充実させていくのか、いけるのか。これは、『ハートぽっぽ』の問題だけではなく、真のふれあい社会をつくる上でも、行政はもちろん、われわれ一人ひとりに課された大きな課題でもあろう。

「助成金の打ち切りを目前にして、行き詰まっているうちの団体がいい例ですが、一団体でがんばっても限界がある。ですから、どうすれば地域での介助ネットワークをつくり上げて、継続的に活動することができるのかを、ぜひ、全国レベルの団体で話し合う機会が欲しい。そして、日々の介護に追われてヘトヘトになりながらも、どこまでも家族ががんばることが愛情だと錯覚して、社会的介護を受け入れようとしない当事者側の意識改革を促すことも含めて、ぜひ、みなで知恵を出し合い、社会に提言していければと、切に願っています」

 

032-1.gif

 

032-2.gif

研修にはテキストやビデオも用いる。みなの熱心な視線が集まる。

 

1980年

重症心身障害児の療育訓練活動、レスパイトケア(一時預かり)を開始。

1984年

足立区内梅島にて『でてこいサークル』発足。療育指導ボランティアと共に活動を開始。

1988年

東保木間で生活塾開始。

1992年

専任のコーディネーターを迎え、地域ボランティア活動を定例化する。

1993年

東京都地域福祉財団より助成を受け、新拠点(竹の塚)を増設。

1994年

在宅となった卒業生を対象に、デイケアの障害生活支援『力フェ・ド・プルミエ』を開始。

1996年

『力フェ・ド・プルミエ』をべースにして、『ハートぽっぽ』設立。同財団より助成決定。

 

東京都足立区に本拠地を置く『ハートぽっぽ』は、たとえどんなに重いハンディキャップを感じようとも、自分らしい暮らしを継続できるよう、あらゆるハンディキャップに24時間365日対応できる介護支援サービスのネットワークを地域住民が共につくり上げ、一人ひとりのニーズに応えられる社会的介護支援の輪を広げることを目指して設立された民間の非営利団体。主なサービス内容は、1]ライフサポート(食事・排泄・入浴等のトータルな身辺サポート)、2]リビングサポート(撮除・洗濯・料理等の家事全般、筆記等の代行・外出の付き添い)、3]メンタルサポート(各種相談、話し相手)。会員になるには、入会金2000円が必要。サービスの利用料は、月会費2000円(利用月のみ)で、平日9時〜17時は1時間当たり1000円(日・祝日、早朝・夜間1200円)。サービスの支援者に対する報酬は同1時間当たり900円(同1080円)。(→連絡先は最終頁)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION