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学校ボランティア

 

地域の中で体験を通して培う共生の心

香川県立高松市立花園小学校教諭 利國佐代子

 

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特別養護老人ホームヘの訪問。歌遊びやおしゃべりでふれあいを深めている。

 

私たちの学校のボランティア活動への取り組みは、一九九六年度に「ボランティアグループ」を中心としてスタートしました。九九年度からは、ゆとりの時間を使って「総合的な学習の時間」を位置付け、その中で五、六年生は「自主選択活動」という時間を設定しています。そして、ボランティア・環境・国際理解・地域交流・総合表現の五つのテーマの中から、自分の興味関心に合ったものを選んで、縦割りグループで活動しています。

現在、ボランティアグループのメンバーは二七名で、主な活動は、校区内の特別養護老人ホーム『はなぞの園』への慰問や介護ボランティア、全校生を対象とした福祉体験コーナー、街の中のバリアフリー体験、ユニセフや二四時間TVの募金活動、古切手・テレホンカードの回収などです。また、その体験が校内の自主活動にも生かされています。『はなぞの園』への慰問は年二回で、お年寄りも一緒に楽しめるように、劇や手話コーラス、ゲームなどみんなでアイデアを出し合います。また、ほとんどの子供たちは、放課後や土・日曜日などの時間のある時には、友達と『はなぞの園』を訪問し、介護ボランティアを続けています。ヘルパーさんの指導を受けながら、部屋の掃除やシーツ交換、洗濯物たたみ、おやつや食事の配膳、お風呂のお世話などもします。何回も訪問しているうちに、だんだんお年寄りの表情を見ながら話ができるようになり、「私たちを待ってくれているんだなあ」と感じてうれしくなるようです。だから、仕事はかなり大変ですが、またおばあちゃんたちに会いに行きたくなるのです。

ボランティアグループの子供たちは、「ボランティアって何?」というテーマを追究し、日常的な体験活動を通して自分なりの考えを見つけようとしています。

 

 

 

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