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現場教師からのお願い

 

これからは学校での「体験学習」が活発になる。しかし、それはあくまできっかけづくりに過ぎない。学校で体験した生徒が地域で活動する場が少ないのが今の現状であり、大きな課題でもある。

そこでみなさまにお願いしたい。一つは、地域にボランティア体験学習が不活発な学校があれば、ぜひ協力・要請等積極的にアプローチしてほしい。方向転換を求められて手探り状態の学校側は、地域の声に応える用意をしているはずである。

学校にアプローチするには、いろいろ方法があるが、例として次に挙げる。

1]地域の学校のボランティア活動や総合学習の状況を調べる。

2]キーマンとなる先生を見つける。(生徒会顧問や生活指導主任・教務主任)

3]協力するためのプログラムを用意する。

4]上記の準備の後、管理職(最初は教頭)に申し入れる。

5]PTAの中にも協力者をつくる。

これらはあくまで参考例なので、地域の事情によって工夫してみてほしい。

そしてもう一つ、お願いしたいのが、そうして地域に出てくる小中学生の「受け皿」をぜひ用意してほしい。特に地域の市民団体の活躍に期待したい。周辺の大人はそうした団体を支援し、あるいは共に活動することで子供たちの受け皿となってほしい。

総理府が一九九八年に行った青少年の非行等問題行動に関する世論調査によると、「青少年の非行防止にどのような活動が役立つか」という問いに、二〇歳未満の対象者のうち六五%もの回答が「ボランティア活動」を挙げた。実は、青少年の側も活動の機会や場を求めているのである。学校自らも地域に開放し、協力する体制を整備し、地域と共に連携する。日本の将来を担う子供たちの心をはぐくむ活動が各地に広がることを期待して、拙稿を終わらせていただく。

 

 

 

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