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自己を肯定できる教育への転換

 

杉浦 まずは堅苦しく「心の教育について」とはじめるより、お二人が影響を受けたという先生のお話をお伺いしてよろしいですか?

中島 「人の痛みをわかる人間になる」、その原点は小学校五年生の時の女の先生です。当時、障害のある同級生がいてわんぱくな私は休み時間にからかっていたんです。ある日、先生が私を教員室へ呼んで「どんなに本人が努力しても無理なことをあなたはからかった。それがどれだけ人の心を傷つけるかわかりますか」と、ぴしゃーんとほっぺたを叩かれたんです。自分でも情けなくて涙が流れてきました。それからですね、他人の痛みをわかろうという気持ちになったのは。その先生とは亡くなるまでお付き合いをさせていただきました。

堀田 今、教育長さんからすばらしい先生のお話があったので悪いほうの話をしましょう。中学の時のある先生が僕らを殴ってばかりいた。私は怒って「反省を求める」とストライキを扇動して全員教室から出てしまったんです。結局校長先生が謝りに来られて授業は再開したんですが、その時みんな生き生きしているんですよ。「やっぱり授業は受けたい」と。

 

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