フィンランドで盛んなポッパナ織りを楽しむ老人ホームに暮らすお年寄りたち。
介護については、サービス利用者の立場の強化、高齢者の健康や機能を維持するための計画の効率化、独立した生活を営むためのオープンケア政策の推進、包括的地域サービスヘ向けて保健、医療、福祉専門職の連携と公・民連携の促進などが挙げられている。
特に重要な特徴は、何といってもこの改革を監督する責任団体として、政府以外の機関、NGO(非政府団体)やNPO、そして営利企業が含まれている点だ。公の改革のお目付役ともいえる立場に民間非営利の組織が立つのである。こうした取り組みはイギリスの覚え書き「コンパクト」とも通じる点が多い。高齢者介護の基本的な理念を、「公」中心の方針から営利、非営利を含めた「民」との協働へと方針転換しているといってもよい。ちなみにフィンランドのボランティア人口は全人口の三七%にも上っている。