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しかし、それにしても、ほとんどあなた一人の犠牲の上に成り立ってているようなお宅のやり方には問題があります。次のケースは毎日新聞に一〇月まで連載していた「こころの絆」というコラムでも一部紹介したものですが、それを少し詳しくご紹介します。

その農家では、帰省してくる一族は二五人前後になるとのことですが、迎える当主の長男は「男は野良着、女はエプロンを持って来い。土産はいらない」と全員に言い渡してあって、帰省した家族は、一斉に農作業や炊事の手伝いをする。子供は虫捕りや魚釣りに熱中する。暮れは全員でにぎやかに餅つきをする。それが一族の結束維持と妻や嫁の負担軽減につながるというのです。確かにこういう方式だと、負担が一部の者に集中せず、帰る側も迎える側も気が楽で、全員か平等にお盆と正月を楽しむことができるように思います。

これまでのやり方を変えるというのは大変で、勇気がいることだと思います。しかし、苦楽を共にするという連帯と平等の中にこそ、本当のいたわりと家族愛、一族の結束が生まれるのであって、それが盆暮れの行事の真の意味なのではないでしょうか。

ご主人とゆっくり相談して、「わが家の方式」を編み出してみてください。

 

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