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現在の開設主体は社会福祉法人が多いが、千葉課長はNPOによるグループホームに期待をかける。国がグループホーム建設に対する助成基準を緩和したおかげで法人格を持っていれば、大型施設の併設でなくても開設できるようになった。小さなNPOも県知事から特定非営利活動法人の認証を受ければ国などから補助金をもらって単独でグループホームをつくれる。近隣ボランティアが参加する地域密着型のグループホームづくりは、確かにNPOの出番である。

 

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介護保険下でのNPOと行政・企業の役割を討論したNPOフォーラム99'東北会議。

 

行政から熱い視線を注がれるものの前途は必ずしも容易ではない。介護保険の指定事業者になるとしてサービスを提供してから介護報酬が支払われるのは三か月後。その間の人件費など運転コストは大きな負担になる。その資金手当てのめどが立たず、事業をライバル企業に売り払った在宅介護会社の経営者もいるほどだ。まして草の根グループから立ち上がったNPOは“魔の三か月間”をどう持ちこたえるか。いち早く居宅サービス事業者の指定を受けたあるNPOは二〇〇万円の人件費を用立てねばならないと苦しい台所事情を訴えていた。

 

NPOと介護保険事業の取り組みの模索

 

指定事業者用になったばかりに資金繰りに追われる。それはNPOの事業収入を全面的に介護保険事業に依存するからではなかろうか。

 

 

 

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