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こうした助け合い活動のよさは、参加してみて初めてわかるということなのだろう。そんな同団体の今後の活動方針は、公的介護保険の対象にはならない人たちのサポー卜に力を入れていくこと。

「たとえば、冒頭にお話ししたおじいちゃんも、身の回りのことは自分でできたためにヘルパーの派遣対象にはならなかった。それで市の福祉課の方からの紹介で、私たちのところでお世話をすることになったんです。また、私自身が困った経験から若いお母さんたちの支援にも力を入れているんですが、お里が遠いとか、頼りの母親は祖父母の介護で手一杯といった理由から、保育園の送り迎えをしてほしいとか、食事作りの手伝いをしてほしいといった依頼は、ことのほか多い。こうした行政の福祉サービスではサポートしきれない人たちにも手を差し伸べ、お互いに助け合っていくこともこれからは大切なんじゃないかと思うんです」

福祉の一方の車輪が行政なら、もう一方の車輪を草の根でというように、互いに足りないところを補っていけば、きっと、誰もが心豊かに暮らせるような地域社会が実現できるに違いない。『北河内たすけあい』には、その草の根側のけん引役となってもらえるよう、ますますの活躍を期待したい。

 

大阪府大東市に本拠地を置く「北河内たすけあい」は、「お仕着せでない、金もうけでない、ほどこしでない」をモットーとした市民互助型の在宅福祉サービス団体。主なサポート内容は、1]掃除、買物、洗濯等の家事援助、2]通院介助、外出介助、3]介護援助、4]子守り、送り迎え、5]産前産後の手伝いなど。会員になるには、入会金5千円、年会費2千円が必要。サービス利用料は1時間600円で、支払いは「サービスチケット」(1点300円)で行う。サービスを提供した会員は、受け取ったサービスチケットが50点になった時点で、現金交換(1点300円)または時間預託(1点300円)を選択し、チケットを交換できる(交換手数料20%を事務局に納入)というシステムを採っている。(→連絡先は最終頁)

 

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通院介助の様子

 

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保育園への子供のお迎え

 

 

 

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