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「社会福祉基礎」は、二年生の選択科目で、今年は五五名の生徒が選択しています。生徒が実習に行っている施設の方や、地域の方などに講師として来ていただき、車イス介助・手話基礎・保育基礎・視覚障害者との接し方・点字基礎・高齢者介助などの実習を行います。各項目四時間授業で、福祉の基礎的な学習をします。普段の生活の中ではなかなか触れられないことなので、生徒たちは大変熱心に授業に参加しています。

「ボランティア学習」は三年生の選択科目ですが、二年生で「社会福祉基礎」を学んだ生徒は全員必修になります。今年は、横須賀市立の保育園や老人ホーム、障害者施設、学童保育など七つの施設に三八名が行っています。各施設五名程度で、年間一五回、一回三時間ほどです。最初は戸惑っていた生徒たちもすぐに慣れて、子供たちやお年寄りと遊んだり、お話をしたりして三時間を有意義に過ごしてきます。これらは地域内の施設なので、夏休みには授業で行っている施設にボランティアとして出かける生徒も多数います。どの施設でも、生徒に対する期待は大きいものがあります。

「福祉科」を選択した生徒たちは、卒業後も福祉系の進路に進んだり、点字や手話をさらに深く学ぶという形でボランティアとかかわり合っています。多くの生徒にそうした意識づけができれば、この教科の役割は果たせているのではないかと考えています。

 

生徒作文より(一部抜粋)

実習初めは、しゃべれない方とのコミュニケーションどころか元気なお年寄りとの会話もとまどってしまって、お年寄りを困らせたり逆に助けられる場面が多かったけど、ホームを訪れるごとにいろんなことを感じて、体で学んでいつの間にかお年寄りと手を握りあったり、手のひらに文字を書いてもらって会話した時は本当にうれしかった。

 

 

 

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